2016年6月29日水曜日

クロジャコウカミキリ

さっとんです。
先日、大阪で発生が確認されている
外来種クロジャコウカミキリAromia bungi を探しに
狭山市へ行ってきました。

目星をつけていた公園に到着すると



 桜の木の根元には大量のフラスが。
これを目印に木の幹を探していくと...





いましたいました!
現地でしっかり酢エチでシメてお持ち帰り。

今回はメスしか採集することができなかったので
また探しに行きたいと思います。

りんの単独ゼミ8 唐辛子収穫

師範の単独ゼミが独走状態でさすがですね。
ポイント開拓の積極性は見習っていきたいものです。

先週は師範に教えて頂いたポイントで、
今日の朝一で同じポイント及びその周辺の唐辛子よろしくヒラズゲンセイ
を収穫できそうな場所を洗ってきました。
先週は♂6頭で最大個体は33mmとまずまず?の大きさでした。
1週間雨で開いた今日はクマバチがいなくなっており、
シーズンの終了を確認しました。(あるいは朝8時半は早すぎたのか…

♀の収穫は来年に持ち越しとなりました。

師範の単独ゼミ15 偶然のクラルア

実験の日々から一時的に解放された師範です.
今月は調査のため何度か大山崎に足を運びました.
去年も何度か行きましたが,その辺りはたまに思いがけないものが採れることがあります.
今年の調査でも,何やら見慣れないものが目の前に飛んできたので,とっさに素手でキャッチしました.
何かと思ったらクビアカモモブトホソカミキリ Kurarua rhopalophoroidesでした!初採集です!
分布が局所的であるためそこそこ珍品で,京都府南部での記録はあまりないようです.ただ,奈良には多産地があるんだとか.
本種は雌のみで単為生殖する変わったカミキリとしても知られています.
思いもよらぬ副産物でした.

クビアカモモブトホソカミキリ

2016年6月22日水曜日

師範の単独ゼミ14 ロッコウハムシ

チャック全開で電車に乗ってて恥ずかしい思いをした師範です.あ,リュックの話です.
今日は気分転換ということで,キベリハムシ Oides bowringiiが見られるポイントに寄ってから大学に向かいました.
キベリハムシといえば,虫屋なら誰もが知っている美麗種ですね.
分布についてだとか,帰化昆虫だとか,単為生殖するだとかいうことはいろんなところでさんざん書かれていますし, 面倒くさいのでその詳細については他のサイトにおまかせしましょう.
ここではキベリハムシの探し方のコツを紹介します.

食草であるサネカズラ(別名ビナンカズラ)の探し方
どのハムシを探すにもそうですが,まず餌となる植物を見分けられるようになることが必要です.
これがキベリハムシのホスト,サネカズラです.

サネカズラ

一見特徴のなさそうな植物ですが,慣れれば瞬時にわかります.
つる性の植物で,林縁の木やフェンスに巻きついてることが多いですが,地面を這っていることもあります.
実がついていれば簡単に同定できますが,よくわからないときは葉を手ですり潰してみるといいかもしれません.サネカズラならネバネバするはずです.
ちなみにサネカズラは常緑なので,植物自体を探すのは冬季の方が簡単だと思います.

卵塊の探し方
キベリハムシは卵越冬をするので,あらかじめ冬季に卵塊を見つけておくと,暑い真夏に成虫を探し回る必要がなくなって採集がちょっと楽になります.
卵塊は蔓と葉の分かれ目のようなところに産み付けられていることが多いです.
卵塊の写真はこのブログの過去の記事にのせてあります(師範の単独ゼミ5).
蔓と同じような色をしているので,最初は見つけにくいと思います.
卵塊の表面に小さな穴がたくさん空いているのは,すでに抜けたあとのものです.

幼虫・成虫の探し方
幼虫と成虫は葉の表面にいるので,ホストさえわかれば探しやすいです.
六甲山系では,場所によってはサネカズラにたくさんの食痕がついているので,それを頼りに目視なりビーティングで探します.
成虫は大型で美麗なので,いたらすぐわかります.
幼虫も終齢くらいになると,ブルーメタリックの模様があってよく目立ちます.
時期については,幼虫が4月から5月頃で,成虫が6月下旬から8月頃です.
稀に9月以降に野外で成虫がいることもあります.
6月上旬くらいには地中で蛹化するので,その時期はぱったりと姿がなくなります.

キベリハムシ雌成虫

さて最後に,この記事内にはキベリハムシ成虫の写真が2回出てきましたがわかりましたか?
言われる前に気づけた方は虫屋です笑.

2016年6月20日月曜日

りんの単独ゼミ7 徳島のミナミヤンマ後編

2日目。
当初は2泊3日の予定だったが、
レンタカーにしたため節約、自らに残り時間の圧力をかけるべく1泊2日に。

ちなみに宿でウミガメ見られました。

まず有名ポイントに行ってみると、真後ろからミナミが。

しかし、右目コンタクトをいじっていたためスイングできず…
その直後、兵庫県からミナミを採りにきたおじいさんにお会いし、
トンボの話をしました。
そこからまたサンラインを走っていると、捕虫網を持ったグラサンおじさんがおり、
お話ししてみると大阪からだとか。
他にもそれらしき人が…競争が激しそうだ。




サンラインを走り、今日何度目かになるバイカーの煽りで一旦除けて止めると、
そこは昨日気になっていた某所。

奥は木で見えないものの数10m下に渓流があり、
こっちに摂食しにくるのでは?と考えていたので、
ポイントに入ってみる。
すると突然黒く細長いトンボが!

林道まで追いかけて、
身体を捻じりながらジャンプして腕を伸ばすと…

まさかの捕獲成功w
これは技術点が高いジャンプとなりましたね〜。






ミナミヤンマ♂。透明な翅だが、先っぽは茶色い。







直後に♂♀も追加。
ミナミ狙いトンボ屋が多い中、ノーマークだった草原が当たりの予感。
その後も何頭か見たが捕獲できず。

有名ポイントに引き返すも
兵庫のおじいさんが坊主どころか姿も見えないそうで、
ポイントに連れてってあげました。

そこに来たミナミは、見えたら教えて数頭譲りました。
その間、飛来するオオセンチを摘んだり。

数時間話しながらそのポイントでおじいさんは15時まで張り、
私は一度離れタマムシポイントを見るもおらず。

ポイントに帰ってくるとおじいさんが帰っていたので、そこで17時まで粘り♀追加。
結局このポイントでは20回ぐらいミナミを見たと思う。

帰るために着替えようとすると、車の老夫婦に話しかけられました。
ミナミを狙っていたが採れなかったとのことで、
大阪の人は今年1頭で数が少ないと言ってただとか。ほんまかいな。

老夫婦にポイントを教えてから徳島駅に戻り、徳島ラーメン。美味い!


そして帰宅。

感想としては、
林道沿いはあくまで摂食で樹上を飛んでるから、
偶然で降りて来ることが多いと考えられる。
タマムシ見がてら他の良さそうな所を覗くと、大体高いところに結構いた。
某ポイントはあくまで1日だけだからそこも偶然かもしれないが、
初日の林道沿いに比べたらかなりの遭遇率だったわけで、悪くはないのだろう。

採集昆虫
コオニヤンマ♂
ヤマサナエ♀
ミナミヤンマ(カラスヤンマ四国亜種)♂2♀4
サラサヤンマ♂
ホシベニカミキリ
オオセンチコガネ2
サルハムシsp
セマダラコガネ(黒化型)


りんの単独ゼミ7 徳島のミナミヤンマ前編

初めての1泊2日単独(プチ)遠征!
当初はやれ与那国やれ渡嘉敷と言ってましたが、
まずは近場(?)から経験値を積みに行きました。

ターゲットはカラスヤンマの北限にいる四国亜種、ミナミヤンマです。
徳島南部ですね。

まず初日
9:30頃 徳島駅着
途中駅の目の前にある湿地に細長くて中型のトンボが2個体いたが、何だろうか?サラサ?
11:30頃 目的駅着、レンタサイクルにし宿へ
12:30頃 自転車でポイントへ向かうも挫折、自転車を戻しに来ると掃除のおばちゃんに30分捕まり、談笑、その後レンタカーに
13:00過ぎ やっと借りられ、ペーパーで不安ながら出発
13:20頃 有名ポイント着、コオニを採るも本命はおらず自己開拓へ




13:30頃、車の前をヤンマ体型が横切ったので急いで止めて外に出ると…

細長い体躯のトンボが悠々と遥か上空を滑空していた。
ここで初採集ホシベニカミキリを捕獲。














ミナミを数分待つも降りてこない…
決断の時…
ここで今日は湿地も含めて全てを一通り見るということにしたのが良かった。


脇にマツが数本生えた行き止まりの道に入ると、
タマムシがエノキとマツの間を飛んでいる!!

急いで降りるとタマムシおらん…ていうか…


マツの上を悠々と飛ぶミナミヤンマを発見!

摂食中のようだ。
マツは1.5mぐらいの塀の上に生えており、高さは総計8,9mのところを飛んでいた。

届かねぇ。またタマムシ飛んでるけど後回し。

更に滑空だから風が吹くと浮いてしまうし、摂食だから不規則な動きで幅広く飛ぶ。
塀に登り、マツ近くの風が弱くなる部分に来た時にスイング!


カサッという快音とともに捕獲成功を確認!!ミナミヤンマ♀!!




14:30にしてターゲットを得て、しばらく黄昏れた。ちなみにタマムシはいなくなってた。


その後はサンラインを見つつ湿地を探し、サラサを1頭捕獲。
海鮮丼で祝杯。





後編(2日目)へ

りんの単独ゼミ6 アオヤンマ成熟

6月頭に某公園に生息するアオヤンマの成熟個体を採集しに行きました。
天気が悪く気温も低かったですが、2♂1♀を確保。
まだまだ個体数は少なくないようです。
♀は青さはなく、若草色の体色が全体を覆います。














ラミーカミキリも摘み、チビクワを見て帰宅しました。


そろそろネアカヨシヤンマの時期だ…!

2016年6月19日日曜日

師範の単独ゼミ13 唐辛子の収穫

最近は狙った獲物をことごとくはずしている師範です.
そこで今日はもう少し確実なものにチャレンジしてきました.
それがこちら

ヒラズゲンセイ

おいしそうな唐辛子です.
……じゃなくてヒラズゲンセイ Cissites cephalotesです.
クマバチに寄生することでよく知られています.
とある埋立地内の公園にあるフジ棚にクマバチがたくさん営巣していて,そこにいました.
オスはクマバチの巣の入口付近で腹部を持ち上げた姿勢でいることが多いです.
これはオスがフェロモンを出してメスを呼ぶ行動(コーリング行動)だと考えられています.
とってみると独特のにおいがします.
悪天候でしたが,なんとか4♂♂1♀をゲットできました.

<追記>
ヒラズゲンセイの学名ですが,最近では C. cephalotes を Synhoria maxillosa のシノニムとして扱う場合もあるようです.

2016年6月7日火曜日

りんの単独ゼミ5 サラサリベンジ

5/31、昼の部。
サラサのリベンジがしたすぎて、
抑えきれなくなり神戸市某谷津へ!
先輩方は先日のタマムシ採集が雨で成果がなかったため、
そちらもリベンジしていただとか。

某谷津には11時着。
日は出ているのに虫が飛んでおらず、不気味…
12時くらいから暑くなり、様々な昆虫が湧いてきた。
5月にして最高気温28℃。申し分ない。


しかし、悲劇はまた起きてしまう。

すごく採りやすそうな場所でサラサのホバリングを発見し、
近づいても逃げない。
狙いすましてネットイン!
その瞬間ネットから何かが飛んだ!!!

もうわかる、複眼がまたしても飛んでしまったのだ。
浅い湿地だったから必死で複眼を探したが、見つからず。
泣きそうであった。




その後4mメッシュネットから、
ハムシ採集用に持ってきた1.5mのナイロンネットに切り替えて、
無事サラサ2頭を追加。
メッシュとナイロンの使い分けを学んだ。




これでサラサは合計3と1/3頭になりました。(
そして狙いのキンイロネクイハムシは見つからなかったものの、
トゲアシクビボソハムシを2頭採集し、帰宅。

この谷津には真夏にまた来る事でしょう。

りんの単独ゼミ4 黄昏start!


若いマルタンヤンマ、通称若マルを採集したい!
そこで、5/27に昨年師匠から教わったポイントに朝夕入りましたが、
1、2頭のギンヤンマが高速旋回しているだけ。
そもそもギンヤンの高速旋回すら捕獲できない、あいつら速すぎる。

そして5/31。
師範にかっこつけて「黄昏行ってきます(ニヤリ」をキメてラボを後にし、
18時頃ポイントに到着。
18:30までは沈み行く太陽をただ待ちつつボケーと座ってました。
犬に吠えられた。笑

日も落ちてきた18:30ぐらいからは高速ギンヤンが登場。
そこにもう1頭謎のヤンマが現れ、ギンヤンとバトりながら
徐々に高度を下げた2頭のダブル捕獲を狙うもあえなく失敗。
黄昏にはまだ早いこの時期に1チャンスを逃すと、
今日はもう厳しい…師範にかっこつけた後の言い訳考えるか…

と考えた矢先。
真横を黒い影が!




若マル!!!
透明な翅に薄い水色の胸部、そして染めたばかりのような額に、
輝かしい蒼い複眼が美しい。



今年のヤンマ黄昏摂食が開幕しました。


2016年6月6日月曜日

師範の単独ゼミ12 ホタル観賞

師範です.
私の家から徒歩数分のところに,住宅街の中に残された小さな湿地があります.
そこには毎年この時期にヘイケボタル Luciola lateralisが現れるので,今年も先ほど確認してきました.
とりあえず10個体くらいは確認することができました.
ヘイケボタルはいくつかの地域では絶滅危惧種に指定されている昆虫です.
私が小さい頃は近所のいろんなところにいたのですが,約20年前の震災の後くらいから生息環境が一変して減ってしまった感じがします.
去年はゲンジ,ヘイケ,ヒメの三大光るホタルを見ましたが,今年はまだこれが最初です.
切れかけの蛍光灯のように弱々しく発光するのがヘイケの特徴です.

2016年6月5日日曜日

師範の単独ゼミ11 ため池めぐり

先週の昆虫相調査で採ったものをようやく同定し終わった師範です.

今日はオグラコウホネなどにつくハムシを探しに三田へ行ってきました.
結果からいうとダメでしたorz
言い訳をしますと,そもそも食草のオグラコウホネが絶滅危惧種なのでそれにつくハムシも必然的に珍品で,見つけるのはそんなに甘くないのです.
まずオグラコウホネが生育する池を探すところから始めるわけですが,兵庫県は全国で最もため池が多く,地図で見ると三田市内だけでもかなりあることがわかります.
その膨大な数のため池の中から,三田のハムシの記録(林,2002)とオグラコウホネの記録(藤井ほか,1999)を頼りに,良さそうなところに目星をつけて行きました.
で,今のところまだ2か所でしかオグラコウホネを見ていません.

オグラコウホネが生育するため池

ガチの人は胴長を履いて池に突入するみたいですが,私はそんな装備持ってないので,双眼鏡によるルッキングと5mのネットを駆使して探しました.
結局ため池ではコガシラミズムシ Peltodytes intermediusぐらいしか甲虫は見つかりませんでした.