2017年12月29日金曜日

クリスマス採集&ツルグレンパーティ(前編)

メリーツルグリマス!師範です.
さっとん氏の提案で,今年のクリスマスイブは私の家で二人でツルグレンパーティをすることに.
その時に使う落ち葉を採集ついでに前日とりに行き,イブにツルグレンという流れで計画を立てました.

23日,天気は晴れ.街はクリスマスムードです()
朝10時半,待ち合わせの駅に到着.まださっとん氏は来ていない様子.さっとん氏を待つ間,駅前のコンビニに行って温かいコーヒーを購入することに.
カフェインの補給も完了して改札前でさっとん氏を待つも,なかなか来ません.むむ!?ラインをしても返事がありません…これはまだ寝てる説あるな笑.
待つこと30分,さっとん氏から電話があり今起きたとのこと.後から追いかけて来ると言うので,とりあえず先に山へ行くことにしました.

仕方ないのでさっとん氏と合流するまでゆっくり登山道を歩きながら一人で虫を探していました.
今日ここへ来たのは落ち葉を得ることも目的ですが,それとは別に,この時期に採れるある虫を採るという目的がありました.去年は別の場所で狙って惨敗でしたが,はたして今回は採れるのか…
ターゲットの虫も狙いつつ谷沿いでリターを篩っていると,さっそく甲虫が落ちました. この日最初の甲虫はLathrobiumの1種でした.この仲間は各地で分化しているようで,まだまだかなりの未記載種が眠っているであろう分類群です.

Lathrobiumの1種

リターを篩って遊んでるうちに,さっとん氏が到着.一緒に山頂付近を目指しました.
良さげな場所を篩いつつ進んでいくと,また別の虫が落ちました.
ホンドチビヒサゴゴミムシダマシ Laena rotundicollisです!

ホンドチビヒサゴゴミムシダマシ

しかし肝心の狙いの虫が採れません.今年も採れずに終わってしまうのか...
その後も根気よく篩い続けていると・・・・・・ポロッ

んん!?

んんんん!?

ここここれはーーーー!!! 本日のメインターゲット,ハネナシナガクチキ Nipponomarolia kobensisです!!!

ハネナシナガクチキ

悔しそうなさっとん氏.とりあえず確実にいることがわかったので,その付近をくまなく探しました.
が,追加は得られず.うーむ…そうたくさんいるものではない模様.
再び山頂を目指して歩き出したもののロープウェーに誘惑され,中腹からロープウェーに乗って山頂まで上がることに笑.

山頂到着.自販機でカフェインを補給し,再び落ち葉を探しました.
山頂付近は池が凍りついているほどの気温にもかかわらず,いろいろ虫が見られました.
しかし結局ハネナシナガクチキは追加できず.やはり標高の高い場所ではダメなのか…
日も暮れ始めてきたので翌日のために落ち葉を袋に詰め込み,この日は下山することにしました.

翌日のツルグレンパーティではこの落ち葉から何が出てくるか…後編へ続く.

2017年12月27日水曜日

【DIY】600円で作る実体顕微鏡用ツインアーム照明

師範です.
家で同定やら展足をやりたくて,先日実体顕微鏡を購入しました.めちゃくちゃ使い勝手の良い顕微鏡なのですが,唯一の欠点として照明器具が付属していなくて困っていました.照明を購入しようにも本格的なものはやはり高価で,顕微鏡本体の購入により財布にダメージを受けた状態ではなかなか手を出せるものがありませんでした.とりあえずある程度の明るさがあればいいと思って安い照明がないか調べましたが見つからず,100均の商品を組み合わせて自分で作ってみることに.
今回はその作り方をメモ.

材料
・USB LEDライト 2個
・USB延長ケーブル 2個
・土台になるもの(ここではスマホスタンド)
・固定するピンクのやつ(2個入り)

これらを組み合わせて…できたのがこれ.


うむ,見た目はともかく思ったより使いやすい.ちゃんとした照明を購入できるようになるまでは,ひとまずこれでいいかなという感じです.いやむしろコンパクトでかさばらないという点ではこっちのほうがいいかも.ライトは工夫次第でもう少し明るくできそうです.

2017年12月9日土曜日

みかど

師範です.
イチイガシに特異的に見られるテントウムシを探しに京都へ行ってきました.
以前から一度チャレンジしてみたいと思っていたテントウのひとつです.

駅を降りて目的の場所に到着し,さっそくイチイガシを探します.
あたりにはいろんなカシやシイがあり,しばらく散策していると大きなイチイガシが目に入りました.さっそくターゲットの虫がついてないか確認します.
この時期にはイチイガシの葉の裏で越冬することが知られているので,木の下に立ちひたすら目視で黒い点を探します.

一本目の木を探せども,いない・・・
二本目,いない・・・
そう簡単には見つかりません.
直前まで生態写真をググってたからサーチイメージは完璧なはずなのに.

目を皿にして三本目の木を見ていると・・・ いた!!イチイガシの漆黒の精霊,ミカドテントウ Phaenochirus mikadoです!!

イチイガシの葉裏につくミカドテントウ

じっと葉を見上げて不意に何か手にとったと思ったら突然しゃがみこんで黒い点にしか見えない物体を見てニヤニヤする私は完全に怪しい人だったと思います.

移動してさらに別の木を探してみると,まとまって越冬しているミカドテントウが!!


教科書通りの越冬状況を観察でき満足したので帰ることに.
本種はイチイガシにつくという生態がわかるまではかなり稀な種だったようです. それにしてもこんな場所にいるのかぁという感じでした.
イチイガシには他にオオツカヒメテントウなどもつくと言われていますが,今回は見つかりませんでした.

<追記>
後日,採集品は見事にすべてゴム化していましたが無理矢理展足しました.改めて見ても良さみが深いテントウムシですね〜.右についてるのは雄交尾器です.

2017年8月8日火曜日

また新たな世界に足を踏み入れてしまった

師範です.
今までその存在は知っていたものの,ずっと図鑑の中の存在だった甲虫に,ダルマガムシの仲間(特にOchthebius)がいました.今年は学会やら調査やらで遠征する機会が多かったので,そのついでにいつか採ってみたいと思っていたそれらを狙ってみることに.

しかしこの仲間はちょっと特殊な環境にいるため,採集経験のない自分に果たして見つけられるのか心配でした.というのも,これらは水面から突き出た岩の湿った部分にいるようで,一般的な水生昆虫を採るようにタモ網を振り回してるだけではまず採ることができないからです.しかもサイズがせいぜい数mmのため,それを見逃さずに探し出す方法を考える必要がありました.いろいろ考えた末,効率良く見つけられる方法がわかり,以下の3種のダルマガムシをなんとか採ることができました.

まずはクロコブセスジダルマガムシ Ochthebius granulosus
限られた地域の岩礁地帯の,大きめの岩に生息している種です.この時はまだ3月だったにもかかわらず,そこそこの個体数が見られました.この時が初のダルマガムシ探しでしたが,無事に落とすことができ完全勝利でした.

クロコブセスジダルマガムシ

次にナカネダルマガムシ O. nakanei
りん氏と一緒に採集に行った時に渓流の岩場で採れました.やや少ない種だと思いますが,その場所では普通に見られました.りん氏は苦戦しつつもなんとか1頭採って喜んでいました(帰ってから見てみるとなぜかナカネダルマガムシは消えていて,ノミハムシに化けていたとのこと…謎).

ナカネダルマガムシ

最後にホンシュウセスジダルマガムシ O. japonicus
この仲間の中では比較的多い印象です.とはいえ,特殊な環境にいるせいで地元に分布しているにもかかわらず今まで採れていませんでした.河川中流域の岩などにいましたが,特にテトラポットにかなりの数がついていました.太陽光の下で見るとピカピカして綺麗な色です.

ホンシュウセスジダルマガムシ

〈追記〉
この後に,止水性のミヤタケダルマガムシ Hydraena miyatakeiも採ることができました.
1.5mmほどのダルマガムシで,注意していないと見落としてしまいそうです.本種は岩の表面ではなく水中の植物などにつかまっていて,湿地をかき混ぜると水面にプカプカ浮いてきました.

2017年7月25日火曜日

慶良間諸島遠征 後編ー魅惑の黄色紋ー

お久しぶりです。最近薄毛に加えて白髪も気になり始めたさっとんです。
先月、エサキクロタマムシを求めて慶良間諸島に行ってきました。

先に言っておきますと、採集に集中しすぎて昆虫の生態写真0枚です。すいません。



今回は泊港15時半発のフェリーで向かいます。

フェリーの時間までは、中南部で採集。

赤みが全くないウバタマが採れてルンルンのさっとん。

 前胸まで緑がかったアオウバタマムシ(後日、室内で撮影)


その後、リュウキュウクリタマムシをリン氏だけが採集することになって、膝から崩れ落ちるさっとん。

頭皮が痒くなるほど悔しかったですが、これから離島でいい出会いがあるにちがいないと自分に言い聞かせて、いざ乗船。

遠征は、構想から帰ってきて標本や写真を整理するまで楽しいですが、
僕は船で離島に向かっている時が一番好きかもしれないです。
あのワクワク感がね、たまらんのですわ。

船からの景色はこんな感じ




看板で黄昏るリン氏。後ろ姿もイケメソ。


島に着いたら荷物を預けるためにさっそく宿へ。

 めっさシンプルで清潔感のあるお部屋

主人も親切な方だったので、星三つです!

2日目の宿は、写真撮り忘れました。てへ。


初日は、自転車を借りて散策したけど何も得られず(ウバタマの飛翔を観察)、
2日目へ

丸一日採集できるのは今日だけなので、移動手段は原付(1日5000円)。
なんと私さっとんはこの日が原付デビュー。りん氏に原付の極意を教えてもらいました。
ハンドルをひねったら進む!なーるほどね!

風が気持ちいい(時速30㎞)

景色がスンバラシイ。


朝食を済ませて、いざ採集。
よさげな松をスウィープしようとすると、さっそく奴が飛んできた!! 

網を瞬時にスイング。

フレームにヒット。

異次元へ。



気をとりなおしてスウィープしていると、リン氏がやってきました。

リン氏「あ、いました。側溝に落ちてます。」

さっとん「おいおい、まじかよっ!まいったな、こりゃ。」

おそらく僕がスウィープした際に落ちたやつだろう。
タマムシ屋として最初の一頭を採ってドヤ顔キメる予定だったのに...


めげずに網を振っていくと、ネットの底にシルエットが、









 黄色い紋が美しいエサキクロタマムシ(後日、室内で撮影)


よっしゃ!!

目の覚めるような黄色!

この黄色紋が見たくてこの島にやってきたのだ。


その後、二人ともポツポツ追加することができ、あっという間に帰りの時間に。

慶良間諸島で採集できたタマムシは、
アオムネスジタマムシ
ウバタマムシ(奄美・沖縄亜種)
エサキクロタマムシ
サツマウバタマムシ(沖縄・八重山亜種)

残念ながら、オキナワムツボシタマムシやアキヤマクリタマムシは見つけることはできませんでした。
次は、これらの種に加えてまだ発見されていないナガタマムシやチビタマムシも狙って、もう少し早いシーズン(5月)に行ってみようかと思います。

【エサキクロタマムシに関する覚書】
・飛んでるときは焦げ茶色っぽく見える。
・思ったより小さい。
飛んで逃げる個体もいれば、そのまま落ちる個体もいる。
 つまり、スウィープした後は、地面を確認すべし。
・朝10時には活動している。


最後に、

今回の遠征は、二人ともエサキクロを採集することができたので良かったです。
一つ心残りなのは、めちゃくちゃ海が綺麗なのに水着を持ってきてなくて泳げなかったこと。(リン氏はちゃんと持ってきて飛び込んでた)

次は海パンと肉体美を忘れずに持って行こうと思います。

以上、慶良間諸島遠征 後編でした。

2017年7月4日火曜日

慶良間諸島遠征 前編

6/22(木)
ヒアリ講習会では以下のような会話がされていたらしい。

某教授:あれ、りんはなんでおらんの?
後輩:あ〜、今頃たぶん沖縄にいると思います(棒

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一方その頃、りんとさっとんパイセンは沖縄南部にいた。
今回の目的は、慶良間諸島のエサキクロタマムシ!
私としては同じく松に付くウバタマ系も追加したいため、楽しみの多い遠征である。

梅雨明けピッタリの日程で、遠征初日から晴れ。
慶良間諸島に渡る前の肩ならし、のはずだった。

まず目的のオオシマルリタマムシ。

アオウバタマムシ
アヤムネスジタマムシ
デグチナガタマムシ(初採集)
ヨツスジトラカミキリ
カメノコハムシsp.

この日は肩が上がらなくなるまで採集した。

6/23
昨日と同じ場所で朝から採集。
アオウバタマ、アヤムネスジを追加し、リュウキュウクリタマムシを初採集!
最近チビタマの展脚で格闘していたため、クリタマがすごく大きく見えた笑

13時まで採集し、いざ慶良間諸島へ…後編へ

2017年6月23日金曜日

ヒアリの見分け方

ヒアリに関する講習に参加してきました.
先日尼崎と神戸で確認されニュースとなった特定外来生物のヒアリ Solenopsis invictaですが,忘れないうちにここに他のアリとの区別点を書いておこうと思います.
(ヒアリの後に神戸で確認されたアカカミアリは本種によく似ているのですが,下の④の違いで区別できるそうです)

① 大きさは2-6mm

ヒアリのワーカー

② 前伸腹節にトゲがなく,腹柄節は2節

側面

③ 触角は10節で先端2節が大きい

触角

④ 頭楯前縁中央はわずかに突出する(本種に似るアカカミアリはここが突出しない)

頭楯
突出(矢印)が顕著でない個体もあり難しい

2017年6月6日火曜日

ツシマヘリビロトゲハムシ飼育記

5月中旬に対馬で採集したツシマヘリビロトゲハムシをせっかくなので飼育してみることにしました.
まずはホストであるケンポナシの苗木を買って,その葉に産卵させてみようと考えました.苗木は送料込みの1600円ちょいであったのでそれをポチりました.これで準備完了.
以下,観察記録を記しておきます.
※この記事は観察が進むたびに随時更新します.羽化までいかなかったらボツ記事になるかも

5/25
苗木(高さは40cm程度)が届いたので,早速1ペアを移して袋がけしてみることに.

ケンポナシの苗木

5/28
苗木の葉をよく見ると卵を発見!卵は約1mmほどの大きさで,個別に葉に埋め込むように産まれています.葉裏側から見ると,なにやら細い突起のようなものが1本出ていることが多いです.

ツシマヘリビロトゲハムシ卵(葉表側)
ツシマヘリビロトゲハムシ卵(葉裏側)


この後もペアを変えながら何度か産卵をさせました.

6/3
最初に産卵された葉で幼虫が孵化しているのを確認!ここまでシナリオ通り!産卵から孵化まで1週間くらいかかるようです.このハムシはリーフマイナーで,はじめのうちは葉脈に沿って潜葉している幼虫が多いように見えます.

筋状に薄く変色している部分が幼虫のマイン
(穴が空いているのは成虫の食痕)

6/6
孵化ラッシュが始まり,この時点ですでに幼虫は34個体になりました.孵化していない卵もまだまだあり,明らかに産ませすぎたと思って苗木への産卵はここでストップさせました.

6/9
幼虫が少し成長すると,別の場所への"再潜葉"ができるようになります.おそらく今いる場所で食べ進めにくくなるなど不都合が生じた時にするのだと思いますが,いったん外へ出て別の場所に潜り直すことがあるようです.

矢印のところから潜り直した.もともとは左のマインにいた.

6/13
朝確認してみると,マインから出てきてウロウロ歩いている幼虫を見つけました.幼虫ははじめの頃よりひと回り大きくなり,大きいもので目測4mmくらいになっています.リーフマイナーはあまり脚が発達しているイメージがなかったのですが,本種の幼虫は枝をなんなく登ることができるようです.

ツシマヘリビロトゲハムシ幼虫

6/15
ケンポナシの方もだいぶ成長してきました.こんな感じで育てています.


6/23
幼虫が多すぎて最初のケンポナシがボロボロになってきたので,新たにケンポナシとナツメの苗を入れました.ナツメでも幼虫の飼育ができるか不安でしたが,成虫はナツメでの採集例があるのでおそらく大丈夫だろうと与えてみたところ,思った通り幼虫はその葉に潜葉しました.

ナツメの葉に潜る幼虫

6/29
大きくなった終齢幼虫がいったんマインから出て葉の別の場所で蛹室をつくり始めています.孵化してからここまでだいたい4週間前後です.蛹室は体長7mm弱の終齢幼虫がすっぽり収まるくらいの大きさで,ポケット状の構造になっています.通常主脈または側脈に沿ってつくられ,ポケットの入口が葉の先端側を向きます.

蛹室

7/2
一部の個体が蛹化し始めました.蛹室をつくってから蛹化するまで3-4日くらいです.この時点では,まだ成虫のトゲトゲしい感じはあまりありません.ただ,写真からはわかりにくいですが,前胸に相当するであろう部分の棘だけは蛹の段階で確認できます.

ツシマヘリビロトゲハムシ蛹
(見やすいように葉裏から照らしています)

7/11
ついに羽化しました!!!蛹の期間は9-10日くらいでした.羽化は多くの場合夜中に行われるみたいです.成虫は羽化後蛹室にとどまらず外に出てきます.羽化直後は前胸以外真っ白でチャームポイントのトゲも伸びきっていないのですが,そのあとすぐに翅とトゲはのびていき,1-2時間かけて徐々に色もついてきます.成虫は羽化したその日から活動を始めるようで,ナツメの葉を与えると後食していました.

羽化直後の様子

ツシマヘリビロトゲハムシ成虫

まだ終齢幼虫や蛹のものもたくさんいるので,この調子でいけばそこそこの数の成虫が得られそうです.初めてのトゲハムシの繁殖チャレンジでしたが失敗に終わらなくて良かったです.

2017年6月3日土曜日

最近訪れた離島の紹介

最近調査で行った離島を虫屋目線で簡単に紹介します.

加計呂麻島
奄美大島南部の瀬戸内町古仁屋から船で数十分.奄美大島と近いので古仁屋から日帰りでもじゅうぶん行けます.今回初めて訪れましたがとても美しい島でした.港は2か所あり,本数は少ないですがそこからバスで移動することができます.林道があまりないので散策できる場所は限られると思います.昆虫相はやはり奄美大島と似ている気がします.


アオウバタマムシ

対馬
韓国の近くにある島.飛行機とフェリーどちらも利用したことありますが,ここのフェリーは揺れやすいのと時間がかかるので飛行機で行く方がオススメです.島内をバスの移動する場合,運賃表を見れば高くつきそうに見えますが,実は一日フリーパスなるものがあるのでどこへ行くのも実質往復1000円で行けます.虫は大陸との共通種がけっこういます.一部国有林になっている場所があるので採集に行く際は注意が必要です.今回で3度目でしたがまたいずれ来たい島です.


ツシマヘリビロトゲハムシ

佐渡
新潟港から船なら数時間で着きます.カーフェリーとジェットフォイルどっちも利用しましたが,カーフェリーの方が豪華で船旅感もあったので個人的には好きです.離島の中では比較的栄えている印象を受けました.今回は両津港付近に宿泊しましたが,歩いていける距離にサドマイマイ,サドアオオサ,サドクロオサがいるという素晴らしい場所でした.ただ弾丸遠征だったのであまりのんびりする余裕はありませんでした.


サドマイマイカブリ

2017年3月1日水曜日

内径Φ27mm遠沈管用の吸虫管作成メモ

いろいろな吸虫管を参考にしながら自分でも作ってみたので,作り方を忘れないうちにメモ.



① シリコンチューブ(内Φ5mm 外Φ7mm)
吸い口側の先(写真では見切れている)にはΦ6mmの切ったストローをつけておくことで,汚れても吸い口を交換することができる.④プラ材パイプと接続する部分はやや緩いので縛っておく.

② エアフィルター(外Φ4mmとΦ6mm)
細かいごみが口に入らないようにキャッチするフィルター.ここで使ったものは接続部の外径がΦ4mmとΦ6mmの二段になっている.吸い口に繋がる側はΦ6に①シリコンチューブを接続.その反対側はΦ4に③霧吹きの管,Φ6に①シリコンチューブを接続.

③ 霧吹きの管部分(内Φ5mm 外Φ6mm)
百均で入手可能.②エアフィルターと④プラ材パイプの間は①シリコンチューブのみで繋ぐとこの部位が折れ曲がりやすくなるため,これを介して接続する.

④ 透明プラ材パイプ(内Φ3mm 外Φ5mm)
⑤シリコン栓の穴に通すパーツ.蒸気で熱することによって好きな形状に曲げることが可能.

⑤ 穴付きシリコン栓(上Φ30mm 下Φ25mm 穴Φ5mm)
遠沈管に差し込む部分.この栓のサイズを変えれば違うサイズの遠沈管にも取り付けられるはず.

⑥ 霧吹きの管の先についてるやつ(内Φ6mm 外Φ8mm)
百均で入手可能.吸った虫がパイプに入らないようにするための粗いフィルター.④プラ材パイプに③霧吹きの管をかぶせて,その上から取り付ける.直接虫を吸わない方のパイプ(写真中では左のパイプ)の基部につけておく.

2017年2月25日土曜日

テキトーなマルトゲメモ


Simplocaria 7種
・S. hispidula Fairmaire, 1886 シラフチビマルトゲムシ 本州, 四国, 九州, 種子島
・S. basistriata Nakane, 1964  ジョウネンチビマルトゲムシ 長野(常念岳)
・S. hakonensis Takizawa, 1983 ハコネチビマルトゲムシ 本州, 四国, 九州
・S. ivanloebli Pütz, 2003 イシヅチチビマルトゲムシ 愛媛(石鎚山)
・S. munetoshii Pütz, 2003 市房山(熊本か宮崎?)
・S. oharai Pütz, 2003 福岡(英彦山)
・S. naganoensis Pütz, 2004 長野(木曽駒ケ岳)

Horiella 12種
・H. shikokensis (Takizawa, 1983) シコクチビマルトゲムシ 四国, 九州
・H. japonica Pütz, 2002 山梨
・H. loebli Pütz, 2002 奈良, 和歌山
・H. shodoshimaensis Pütz, 2002 小豆島?
・H. franzi Pütz, 2003 長野(横岳)
・H. maruyamai Pütz, 2003 キョウトチビマルトゲムシ 京都, 兵庫
・H. bicornis Kitano et Sakai, 2007 トウカイヒメマルトゲムシ 静岡
・H. aikoae Kitano et Sakai, 2008 アイコヒメマルトゲムシ 三重
・H. hisamatsui Kitano et Sakai, 2009 ヒサマツヒメマルトゲムシ 愛媛(赤星山)
・H. kannoi Kitano et Sakai, 2009 イセヒメマルトゲムシ 三重
・H. matsunoi Kitano et Sakai, 2009 コボケヒメマルトゲムシ 徳島, 愛媛
・H. yoshidai Kitano et Sakai, 2009 ツルギヒメマルトゲムシ 徳島(剣山)

Chaetophora 1種
・C. spinosa (Rossi, 1794)  サシゲケシマルトゲムシ 本州, 九州

Curimopsis 13種
・C. cyclolepidia  Münster, 1902 キタサシゲマルトゲムシ 北海道
・C. japonica Nakane, 1964 ジョウネンサシゲマルトゲムシ 長野(常念岳)
・C. moosilauke Johnson, 1986 北海道(平山)
・C. lewisi Pütz, 2000
・C. takizawai Pütz, 2002  群馬, 山梨
・C. ainuorum Pütz, 2003 ニホンサシゲマルトゲムシ 北海道, 本州, 四国
・C. ezoensis Pütz, 2003 北海道(赤石川)
・C. hokkaidoensis Pütz, 2003 北海道(千代志別)
・C. horii Pütz, 2003 北海道(乙部岳)
・C. motoyamaensis Pütz, 2003 北海道(元山)
・C. yoshitomii Pütz, 2004 北海道(標津川)
・C. ehimensis Kitano et Sakai, 2006 エヒメサシゲマルトゲムシ 愛媛(赤星山, 石鎚山)
・C. tsurugisana Kitano, Pütz et Sakai, 2008 ツルギサシゲマルトゲムシ 徳島, 高知

Lamprobyrrhulus 1種
・L. hayashii Fiori, 1967 ドウガネツヤマルトゲムシ 北海道, 本州, 四国, 九州

Cytilus 1種
・C. sericeus (Forster, 1771) キヌゲマルトゲムシ 北海道, 秋田, 栃木, 山梨

Byrrhus 5種
・B. fasciatus Forster, 1771 北海道, 本州
・B. pustulatus Forster, 1771 マルモンマルトゲムシ 北海道, 本州, 九州
・B. arietinus Steffahny, 1843 長野, 静岡
・B. geminatus LeConte, 1854 カラフトマルトゲムシ 北海道, 山形, 新潟, 長野
・B. ekashii Kono, 1943 エカシマルトゲムシ 北海道

Microchaetes 1種
・Microchaetes sp. (移入種) 本州, 四国, 九州