2016年9月26日月曜日

師範の単独ゼミ18 メクラチビ

師範です.
週末はチビゴミを掘りに行ってきました.
先週は天気が悪かったので,久しぶりの出動という感じです.

ムコガワメクラチビゴミムシ

まずこちらはムコガワメクラチビゴミムシ Trechiama expectatus
写真では伝わりにくいですが虹色光沢を伴う透明感のあるエリトラ,地下での環境に適応したと思われる特殊な形態…もうちょっと個体数が稼ぎやすかったら研究に使いたいぐらいです.
一緒にミズギワゴミムシ類やハネカクシ類もいくつか出てきました.
去年は同所的にStygiotrechusも出てきたのですが,今回は見つからず.

サクライメクラチビゴミムシ
サクライメクラチビゴミムシの剛毛式

そして初採集のサクライメクラチビゴミムシ Trechiama inexpectatus.ムコガワと学名が紛らわしい…
本種は上翅剛毛の生え方が特徴的で(第3条に1本,第5条に2本),他の種群と区別されています.とはいえ剛毛の欠けている個体もあり,顕微鏡でのぞいても慣れていないと同定は難しいと思います.

2016年9月3日土曜日

水昆採集

師範です.
さっとん氏とりん氏の付き添いで水辺に行ってきました.


いろいろ大変でした.とりあえず海パンは海に持っていくものではないということを学びました.
今日見られた甲虫を覚えてる範囲で記録しておきます.

◆ハンミョウ Cicindela chinensis japonica
美麗種好きのさっとん氏が追いかけてた.
◆ヒラタアオミズギワゴミムシ Bembidion pseudolucillum
さっとん氏からいただいた.
◆コツブゲンゴロウ Noterus japonicus
マメゲンゴロウなどとともに池にたくさんいた.

コツブゲンゴロウ(左は標本針)

◆マメゲンゴロウ Agabus japonicus japonicus
普通種.
◆コシマゲンゴロウ Hydaticus grammicus
りん氏が1頭だけ採集.
◆ハイイロゲンゴロウ Eretes sticticus
ジュンサイ群落のある沼にいた.
Stenus sp.
この仲間はいつもわからない.
◆スジヒラタガムシ Helochares nipponicus
小顎ひげ第2節の形がヒラタガムシ属 Enochrusとは異なる.
◆タマガムシ Amphiops mater mater
丸い.
◆コガシラミズムシ Peltodytes intermedius
日当たりの良い大きな池にいた.
◆クロタマキスイ Pastillus eminentithorax
現地では小さすぎて何かわからなかったが個人的にこの日一番のアタリで,Hisamatsu (2013) により記載されたばかりの種.1mmあるかないかぐらいのサイズ.Kirejtshuk & Mantič (2015) は本種を基準種として新属Apastillusを設立している.

クロタマキスイ(左は標本針)

◆クロヘリヒメテントウ Scymnus hoffmanni
水辺の植物をスイープするとよく入る.
◆カツラネクイハムシ Donacia katsurai
9月に採れるとは思ってもみなかったが,3人で7頭採集できた.
◆ガガブタネクイハムシ Donacia lenzi
りん氏は沼を泳ぎながら本種を採ってた笑.
◆イネネクイハムシ Donacia provostii
ヒシについてた.
◆ジュンサイハムシ Galerucella nipponensis
ヒシについてた.
◆カミナリハムシ Altica cyanea
イネネクイハムシやジュンサイハムシとともにヒシの浮葉上でたくさん見られた.ヒシについてたのが気になっていたのだが,Nayek & Banerjee (1987) を見ると本種のホストとしてヒシが記録されている模様.ただ別の場所で採ったものと比べると,今回ヒシで採った個体の方は体腹面や脚の青色光沢がやや強い感じがする.


◆ヒシチビゾウムシ Nanophyes japonicus
ヒシについてた.

ヒシチビゾウムシ(左は標本針)