2017年12月29日金曜日

クリスマス採集&ツルグレンパーティ(前編)

メリーツルグリマス!師範です.
さっとん氏の提案で,今年のクリスマスイブは私の家で二人でツルグレンパーティをすることに.
その時に使う落ち葉を採集ついでに前日とりに行き,イブにツルグレンという流れで計画を立てました.

23日,天気は晴れ.街はクリスマスムードです()
朝10時半,待ち合わせの駅に到着.まださっとん氏は来ていない様子.さっとん氏を待つ間,駅前のコンビニに行って温かいコーヒーを購入することに.
カフェインの補給も完了して改札前でさっとん氏を待つも,なかなか来ません.むむ!?ラインをしても返事がありません…これはまだ寝てる説あるな笑.
待つこと30分,さっとん氏から電話があり今起きたとのこと.後から追いかけて来ると言うので,とりあえず先に山へ行くことにしました.

仕方ないのでさっとん氏と合流するまでゆっくり登山道を歩きながら一人で虫を探していました.
今日ここへ来たのは落ち葉を得ることも目的ですが,それとは別に,この時期に採れるある虫を採るという目的がありました.去年は別の場所で狙って惨敗でしたが,はたして今回は採れるのか…
ターゲットの虫も狙いつつ谷沿いでリターを篩っていると,さっそく甲虫が落ちました. この日最初の甲虫はLathrobiumの1種でした.この仲間は各地で分化しているようで,まだまだかなりの未記載種が眠っているであろう分類群です.

Lathrobiumの1種

リターを篩って遊んでるうちに,さっとん氏が到着.一緒に山頂付近を目指しました.
良さげな場所を篩いつつ進んでいくと,また別の虫が落ちました.
ホンドチビヒサゴゴミムシダマシ Laena rotundicollisです!

ホンドチビヒサゴゴミムシダマシ

しかし肝心の狙いの虫が採れません.今年も採れずに終わってしまうのか...
その後も根気よく篩い続けていると・・・・・・ポロッ

んん!?

んんんん!?

ここここれはーーーー!!! 本日のメインターゲット,ハネナシナガクチキ Nipponomarolia kobensisです!!!

ハネナシナガクチキ

悔しそうなさっとん氏.とりあえず確実にいることがわかったので,その付近をくまなく探しました.
が,追加は得られず.うーむ…そうたくさんいるものではない模様.
再び山頂を目指して歩き出したもののロープウェーに誘惑され,中腹からロープウェーに乗って山頂まで上がることに笑.

山頂到着.自販機でカフェインを補給し,再び落ち葉を探しました.
山頂付近は池が凍りついているほどの気温にもかかわらず,いろいろ虫が見られました.
しかし結局ハネナシナガクチキは追加できず.やはり標高の高い場所ではダメなのか…
日も暮れ始めてきたので翌日のために落ち葉を袋に詰め込み,この日は下山することにしました.

翌日のツルグレンパーティではこの落ち葉から何が出てくるか…後編へ続く.

2017年12月27日水曜日

【DIY】600円で作る実体顕微鏡用ツインアーム照明

師範です.
家で同定やら展足をやりたくて,先日実体顕微鏡を購入しました.めちゃくちゃ使い勝手の良い顕微鏡なのですが,唯一の欠点として照明器具が付属していなくて困っていました.照明を購入しようにも本格的なものはやはり高価で,顕微鏡本体の購入により財布にダメージを受けた状態ではなかなか手を出せるものがありませんでした.とりあえずある程度の明るさがあればいいと思って安い照明がないか調べましたが見つからず,100均の商品を組み合わせて自分で作ってみることに.
今回はその作り方をメモ.

材料
・USB LEDライト 2個
・USB延長ケーブル 2個
・土台になるもの(ここではスマホスタンド)
・固定するピンクのやつ(2個入り)

これらを組み合わせて…できたのがこれ.


うむ,見た目はともかく思ったより使いやすい.ちゃんとした照明を購入できるようになるまでは,ひとまずこれでいいかなという感じです.いやむしろコンパクトでかさばらないという点ではこっちのほうがいいかも.ライトは工夫次第でもう少し明るくできそうです.

2017年12月9日土曜日

みかど

師範です.
イチイガシに特異的に見られるテントウムシを探しに京都へ行ってきました.
以前から一度チャレンジしてみたいと思っていたテントウのひとつです.

駅を降りて目的の場所に到着し,さっそくイチイガシを探します.
あたりにはいろんなカシやシイがあり,しばらく散策していると大きなイチイガシが目に入りました.さっそくターゲットの虫がついてないか確認します.
この時期にはイチイガシの葉の裏で越冬することが知られているので,木の下に立ちひたすら目視で黒い点を探します.

一本目の木を探せども,いない・・・
二本目,いない・・・
そう簡単には見つかりません.
直前まで生態写真をググってたからサーチイメージは完璧なはずなのに.

目を皿にして三本目の木を見ていると・・・ いた!!イチイガシの漆黒の精霊,ミカドテントウ Phaenochirus mikadoです!!

イチイガシの葉裏につくミカドテントウ

じっと葉を見上げて不意に何か手にとったと思ったら突然しゃがみこんで黒い点にしか見えない物体を見てニヤニヤする私は完全に怪しい人だったと思います.

移動してさらに別の木を探してみると,まとまって越冬しているミカドテントウが!!


教科書通りの越冬状況を観察でき満足したので帰ることに.
本種はイチイガシにつくという生態がわかるまではかなり稀な種だったようです. それにしてもこんな場所にいるのかぁという感じでした.
イチイガシには他にオオツカヒメテントウなどもつくと言われていますが,今回は見つかりませんでした.

<追記>
後日,採集品は見事にすべてゴム化していましたが無理矢理展足しました.改めて見ても良さみが深いテントウムシですね〜.右についてるのは雄交尾器です.